端的にその状況を言い表すとしたら、寝ている。これに尽きる。
まあ、自分の血がみずたまりになっていたり、へんな武器が地面に突き刺さっていたり、胴体が二つになっていたりする点を除けば安らかな寝顔の好青年。のはずだ。

………
ありのままに今起こった事を説明するぜ、ふと意識を取り戻したと思ったら自分の死体を見下ろしていた!
何を言っているか………やめよう、虚しくなって来た。所で、俺は誰に向かって話しているんだろうか。

「世界と、じゃないでしょうか」

成る程。流石はイソレナさん、俺が思ってもいなかったことを平然と考える。

「憧れます?」

どや、とぐっと腰に手を当てて、胸を張るイソレナさん。
今、この手がしゃもじを持てない事をこれほど悔やんだ事は無い。

「しかし、珍しい症状もあったものですねぇ。幽体離脱って奴ですか。本当に向こうが透けて見えるんですね」

お願いしますから体の中に手を突っ込まないで下さい。
しかし、どうしましょうこれ。今からかなたさんと殺戮ダンスを踊る予定なんですが。イソレナさん、蘇生アイテムはありませんか?

「今からバトルって時に喧嘩売ってきたんですね、賞金おいしかったです。残念ながら在庫切れ、ですねぇ」

見かけたら斬るノリじゃないと戦闘系は、ねぇ

「あー。まあ、そうですね。最近人居ませんし」

家屋の前にある蘇生中の看板。もう見飽きました。シクシク
と泣きまねをするのは止めて取り合えずどうしましょう。今は面倒なことに家にも蘇生書がないんですよねー

「乾さんにお頼みしま………乾さん今日ダンジョンですっけ」

昨日カフェで「潜るぜ、超潜るぜぇ」とか言ってたのが本当ならダンジョンでしょうね。ほかの方も居るか分かりませんし。
………仕方、ありません。蘇生まで時間がかかりますし、イソレナさん。お願いがあるんですが。

「代打イソレナ、背番号98の出番ですね。お任せください、きっちりかなたさんのハート(心臓)をホームランしてあげますとも」

おお、イソレナさんいつにも増してノリが良いっ!そこに痺れるあこがれるー。
「はははははそんなことは無いですよ(どや」

うわー謙虚だなー憧れちゃうなー

「それほどでもない(キリッ」

じゃ、行きましょうか。

「うん………」





という訳でやってきましたかなたさんの家。しかしてその実態はっ

「改築中って書いてますね」

いつかロボットになると信じています。しかし、声はすれども姿は見えず。

「いやいや普通に家の中だと思いますよ」

ですよねー。
あ、すみません呼び鈴お願いします。押そうとしたらすり抜けちゃいました。

「把握しました。ノックしてもしもーし」

――貴様見ているなっ!?

どうやらかなたさんも元気みたいですね。

「今日はJO×Oネタ多いですね」

…………イソレナさんの肩に取り憑く僕はごく一般的な漢の子。しいて違う「おい、やめろ」おk、頼むんで塩を持つのを止めて下さい。
クールに行きましょう、クールに。裸踊りでもしましょうか?

「自宅前で知り合いが裸踊りをしようとしている最中に出くわしてしまった私はどうすればいいのでしょうか。今北産業」
「あ、かなたさんチーッス」
「チーッスです」

チーッス。把握しました。
俺幽霊
今裸
ダンスナウ

「ああ、成るほ…………ど?」
「おや、どうかしましたか?」

何かあり得ないものを見たような表情で固まっていますよかなたさん。お加減が悪いのですか?

「………お、おっかしいなー。パッチーさんがうっすら透けて見えますよ。光学迷彩ですか?」
「そんな防具あったらチート過ぎて買い占めます」
「ですよねー。は、ははははは………えーと。触っていいですか?」

優しくお願いします。
あ、そのあたりは心臓ちょい前です。感触は無いんですが良い心地しないなぁ

「………」
「かなたさん?」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
「かなたさーーーーーん!?」



結局その日の対決はお流れになりました。




後日

――幽霊も中々快適ですね!

「という訳で代打イソレナです。さあパッチーさん尋常な勝負を!」
「くぁwせdrftgyふじこlp」

仕返しされました。とさ。
めでたしめでたし





あとがき
パッチーはホラーが苦手です。



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